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私たちはインプラントを選びました〜インプラントで失敗しないためのストーリー〜
この本を読まれているあなたは少なからず、インプラント治療に興味を持たれていると思います。
「インプラント 治療って最近よく聞くけど実際どうなの?」
「良いって言う人と、良くないっていう人がいて、どっちが本当かわからない!」
色々と不安と、心配と、そして少しだけ期待が入り混じった心境でしょうか?
当たり前です。インプラント治療は外科的な処置を伴いますし、多くの場合、治療費が高額になることが多いので誰でも失敗したくないと思われるのは当然です。
ではインプラント治療では、何が真実で何を信じればいいのでしょうか?
ある人は、インプラント治療を、「やって良かった」と言われますし、ある人は「止めた方がいい!」と言われます。
どちらが正しいのでしょうか?実はどちらの答えも正しいのです。どうしてどちらの答えも正しいのでしょうか?
「インプラントで失敗しないためのコツってあるんでしょうか?」
答えは、あります。
そういった疑問にお答えしたいとこの文章を書きました。
インプラントで失敗しないためには、まずはあなた自身が、今のインプラント治療に対して正しい知識を持つことが大切です。
私は今まで16年間インプラント治療を進めてきて、既に300名以上、600本以上のインプラントの施術を行ってきました。
ここではあなたに正しいインプラント治療に関する知識をお話します。
しかし、そんな私も16年前までは、インプラントに対してかなり否定的な考え方を持っていました。
それはなぜでしょうか?
申し遅れました。私は、岡山市の医療法人なかの歯科クリニックの理事長の中野浩輔と言います。インプラント治療について、ご興味のあるあなたに、その治療方法について、詳しく知って欲しいためにこの本を書きました。まずは私の自己紹介をさせて下さい。
私は昭和38年に岡山市で生まれました。ご存じの方も多いのですが、歯医者の目の前が実家です。大野小学校、石井中学校、岡山大安寺高校、岡山大学歯学部へと進み、大学卒業後、最初は岡山大学歯学部付属病院に研究生として在籍して、補綴科(ほてつか)と言って、歯が失った時のブリッジや、入れ歯専門の教室で学んでいました。2年目からは文部教官助手と言う大切なポストを任されました。
その後、岡山駅前の開業医で勤務医を経験して、平成3年に現在地で新規で歯科医院を開業しました。
大学で補綴を専攻していたために、歯が抜けた後のインプラントについても専門的に学び、勤務した開業医でも、先輩の歯科医師の先生が行うインプラント治療を横目で見ながら、私自身のインプラント治療に対する否定的なイメージはなかなか拭うことができませんでした。
なぜ私はインプラントに否定的だったのでしょうか?今からその理由をお話しします。
◆インプラントに対する思い◆
(1)インプラントと私の出会い
前に書いたように、私の専門は補綴(ほてつ)、歯が失った時の学問です。大学でそして開業医で、私はインプラント治療の教育を受けました。
しかし、今から20年前の大学病院では、インプラント治療は今のように多くの症例はありませんでした。
ここだけの話ですが、20年前の大学病院の口腔外科では、インプラントのオペと言えば、インプラントを入れるのではなくて、インプラントを除去する、取り外すことが多かったのです。
せっかく、開業医で入れたインプラントを何らかのトラブルから取り去る治療を、当時の大学では延々と行っていたのです。そんな症例を多く見ていたので
「インプラントって怖い!」
「インプラントは失敗すると大変だ!」
私は、そんな思いを強く持っていました。
開業医でも、多くのインプラント治療を見る機会がありました。
私がお世話になっていた開業医で行っていた、その当時のインプラント治療は、
ブレードタイプと言って平べったい板状のインプラントや、サファイヤインプラントと言って金属でなく透明なインプラントをよく目にしていました。
また形状記憶合金インプラントと言って熱を加えると、板状のインプラントが左右に開いて骨にがっちりと食い込むタイプのインプラントもありました。
今では、そのようなインプラントは、診療室でも、ほとんど目にすることはありません。
なぜなら20年間でそれらの"旧式"のインプラントは、ほとんど取り去られてしまったからです。ではインプラント治療とは、そんなに失敗したり、予後が悪いものなのでしょうか?
(2)私がインプラントを始めた理由
数々の"旧式"のインプラントの失敗を見てきた私は、なかなか自分からインプラントを行う勇気がありませんでした。しかし、私はある経験から、インプラント治療に対する思いが180度変わりました。
それは、5年前に上顎に10本のインプラント治療をされたのに、ここ数カ月動きが増してきて、そのインプラントを全て除去しないといけない女性の患者さまの話です。
当院に来られた時は、既に上の10本のインプラントは全体が動くだけでなく、膿んでいたので炎症が収まるのを待って、私は10本全てのインプラントを除去しました。
もちろん全ての歯も全てのインプラントも失ってしまったので、その方のために私は総入れ歯を作らせていただきました。
私としては、そこそこの出来栄えの入れ歯と自画自賛していましたが、その方はどうしても再びインプラントをしたいと言われるのです。
あれだけお顔が腫れて痛い思いまでされたのに、なぜそこまでインプラントに拘る?
そう不思議に思う私にその方は言われました。
「中野先生!インプラントが全てダメになったことは本当に残念です。でもインプラントは本当に良く噛めたので、この5年間私は本当に幸せでした。今まであきらめていた家族と同じ食事を美味しく食べることができたんだから、私は少しも後悔はしていません。
何とかまたインプラントができませんか?」
私はその言葉に驚きました。その患者さんは、痛い思いをしてインプラントを取り去る手術までされたのに、また改めてインプラント治療を希望されている。
そんなにインプラントってよく噛めるのか?いいものなのか?
その方は結局アメリカに行って、骨を増やす手術を受けてまで、インプラントで何でも噛める歯を取り戻されました。
実は今から16年前、インプラント治療は劇的な変化を迎えました。
それが骨とチタンが強固にくっつく「オステオインテグレ−ション」の考え方です。
私が今まで"旧式"のインプラントを書いていたのは理由があります。
「オステオインテグレ−ション」が登場して、"新式"のインプラントが登場したのです。
今のインプラント治療が飛躍的に良くなったのは、この「オステオインテグレ−ション」
の概念がインプラントに取り入れられて"新式"のインプラントが登場したからです。
"新式"のインプラントは、円筒形の筒型インプント、材質はチタン製です。
表面にハイドロキシアパタイトのコーティングが施されているものもありますが、基本はチタン製で、表面にネジが切り込まれています。
この円筒形のチタン製のネジ式のインプラントは、一度しっかりと骨とくっつくと、長期間安定して、噛む力を負担することができます。
ちょうど、私が16年前に開業した時に、日本で一番大手のインプラント会社の京セラがPOIと呼ばれるシステムを開発しました。
その評判がすごくよかったので、私は数回、セミナーで勉強した結果、当院のインプラントはまずこの京セラ(今は統合してJMMと言う会社に変わった)を導入しました。
今から16年前のことです。
正常な状態 |
インプラントの状態 |
(3)インプラントを行ってわかったこと
「インプラント治療が、これから歯が抜けた場合の、一番すぐれた方法になる!」
そう感じた私は、数々のインプラントのセミナーや、講演会に積極的に参加しました。
半年間のインプラントベーシックコースを修了して、長年、コツコツと業績を積み上げて、4年前には、インプラントアドバンスコースにまで出席して、無事に終了しました。
また、福岡駅前に診療室があるG先生を私のインプラント治療の師と仰ぎ、一緒にロスアンジェルスまでインプラントセミナーに参加しただけでなく、何度もG先生の行うインプラント治療の見学のために福岡まで出かけました。
また平成20年は一人でサンフランシスコに乗り込んで、世界的に有名な先生の診療室に見学に行ってきました。1人でアメリカにわたりインプラント武者修行を受けてきたのです。その歯科医院で驚いたのは、入れ歯を入れている方が一人もいなかったことです。例え全ての歯を失っていても、インプラントだけで、取り外しのできない固定式の歯を入れていました。
そんなこんなで当院でインプラント治療を受けられる方も、年々増えてきていて、
私は今、インプラント治療を行いながら、このような思いを持っています。
「インプラント治療って、患者さんが思ったより、痛くなく、腫れない!」
「インプラント治療って、患者さんが思ったより、手術もそんなに時間がかからない!」
そして一番私が感じているのは「よく噛める!」と言うことです。
またインプラント治療は新しい歯を入れる訳ですから、「他の周りの歯の寿命を延ばすことができる!」ということです。
これは補綴(ほてつ)の専門家の私にとっては、ある意味で大きなカルチャーショックでした。
なぜなら従来の入れ歯やブリッジと言う治療法は、10年間や15年間持たせることは、私たちがどんなに頑張って、精密な仕事を心がけても、困難な場合が多かったからです。
インプラント治療は、他のブリッジや、入れ歯より長持ちするのです
(注!もちろん個人差もありますし、メリットデメリットがあります)。
インプラント
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ブリッジ
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入れ歯
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◆痛くなく、腫れないインプラントとは?◆
インプラント治療の説明をしていて、よく患者さんから聞かれるのが
「先生、インプラントって痛いんですよね?」
「凄く後で腫れるんですよね?」と言う質問です。
全ての患者さんは、より痛くなく、より腫れないインプラントを望まれている。
常々そう強く思っていた当院のインプラント治療は、ここ数年で大きく変化してきました。
それが「低侵襲インプラント」です。
従来、上の顎で骨がない場合は、サイナスリフトと言って横の骨から、上顎洞と言う空間に横穴を開けて、骨補填剤を入れることが多かったのですが、このサイナスリフトの一番大きな欠点は、術後、すごく腫れる場合が多いことです。中にはお顔がパンパンに腫れる方もいらっしゃいます。そのために当院では、大きく横穴を開けるのではなくて、ソケットリフトと言って、インプラントを入れる穴から小さく上に骨補填剤を入れる方法を採用して、術後の腫れと痛みの軽減を図っています。
また下の顎で骨が少ない場合、従来はGBRと言う方法を用いていました。
これはゴアテックスという特殊な膜と骨補填剤を使う方法ですが、これもまた術後の腫れと痛みが大きいという欠点がありました。
そのため、当院では、今はリッジエキスパンドと言う細い骨を器具で押し広げる方法を取るように変わりました。
ソケットリフトとリッジエキスパンダーが今までより、簡単に安全にできるようになったのは、実はCTと言う術前のレントゲン検査のお陰です。
CTが今までより、簡単に撮影できるようになったために、インプラント治療は、より痛くなく、腫れの少ない治療が可能になったと言えると思います。
インプラント治療もより腫れないインプラント、より短期間で終わるインプラントに進化しているのです。
それでは次ではインプラント治療の基本的な流れを、ご紹介します。
⇒「インプラント治療の流れ」へ
⇒「インプラントのお悩み解決Q&A」へ
⇒「他の治療法との比較」へ
⇒「患者様の声」へ
◆さいごに◆
インプラントとは、歯が失った場所に新しく人工の歯を植え込む治療法です。
私は、岡山大学歯学部同窓会の会長をしていまして、大学の教授の先生とよく話す機会が多いです。
補綴科の教授と話をするときに、よく出る話題が、このインプラント治療です。
「今は1本でも歯を失った時に、患者さんに勧める治療法の第1選択が、このインプラント治療です。」補綴科の教授はそうおっしゃいます。
論文も多く出ていて、インプラントの安全性と有効性が証明されています。
今まで私たち歯科医師は、1本の歯を失った場合に、両隣りの歯を大きく削って、ブリッジの治療を行っていました。例え全く虫歯がなくて、綺麗な歯であっても、治療の名の元に大きく削って、銀色のブリッジを入れていました。
また両隣の歯を削りたくない人には、入れ歯を作ったこともあります。
若い女性の患者さんにバネの見える入れ歯を作ったこともあります。
ブリッジも入れ歯ももちろんメリットのある治療法ですが、デメリットも多いのが現状です。
インプラントは一番優れた治療法でありますし、多くの方にお勧めできる方法ですが、もちろんデメリットもあります。
しかしインプラントだけは、あなたの残っている大切な歯に負担をかけることはありません。それどころか負担を減らしてくれるのです。
今でもインプラントは信用できない、長持ちしないと思いこまれている方がいらっしゃいますが、インプラント治療は確実に進化しています。
あなたの大切な歯を守り育てて、なおかつ、これからのあなたの人生をいきいきと輝かせるために、私はインプラント治療をお薦めします。
中野 浩輔
中野 浩輔 (なかの こうすけ)
1963年3月11日生まれ
岡山大学歯学部同窓会会長 |
【インプラント無料メール相談】
直接歯科医師に聞きにくいこととか、歯科医院に行く前に聞きたいとか、どんな些細なことでも結構です。
どのような質問にも、院長の中野浩輔が直接、親切丁寧にお答えします。
治療する前にしっかり納得して下さい。お気軽にご相談下さいね。
「今まで最も相談が多い上位5位までの質問」
☆1位 私にインプラントは可能か?
☆2位 私のインプラントの治療費は?
☆3位 痛みとか、腫れが心配!
☆4位 今の歯を本当に抜くべきか?
☆5位 どの歯科医院が信頼できるのか?